我が家には、雑種で大きめの黒いわんこがいます。
全体的に黒いのですが、お尻から脚の部分は白いです、
また、マロのような白い眉毛があります。
私がまだ子供だった時に、母が捨てられていたその子を拾ってきて、それから私達の家族の一員です。
家族になったその日から、この子には『キン』という名前がついています。
キンは、拾われてきて少しぐらいまで、噛み癖がありました。
甘噛みではなく、結構本気の喰らいつきです、
拾ってきた母親以外の人が触ったり近づいたりすると、ガブっといってしまいます。
それは私も同じで、よく噛まれました。
最初は嬉しそうに撫でられているのに、急にうなりだして噛むのです。
私はまだ小学生くらいだったので、母は心配してキンに近付かないようにと言いました。
そして、毎日「噛んじゃだめだよ」と言い聞かせていたらしいです。
特に、テレビやネットで見るような、しっかりしたしつけを行っていたわけではありません。
それなのに、次に私がキンを触った時から、全く噛まれなくなったのです。
それは、他の兄や近所の子供に対してもそうでした。
あの時私は、(お母さんが言い聞かせたからだ)と納得していましたが、今考えるとすごいことです。
だって、言葉が分かるか気持ちを深く察せるぐらいじゃないと、言い聞かせただけで分かってくれるわけがありません。
とても賢い子なのだと思います。
キンは、他にもすごい出来事がありました。
兄とキンが、一緒に車で出掛けていた時のことです。
運転していた兄が誤って、キンを外に放置したまま帰ってしまったのです。
すぐに迎えに行きましたが、もうどこにもいませんでした。
そこは初めて行く場所で、自宅から距離も離れている場所です。
何回か見に行ってみましたが、見つかりませんでした。
私達はすごく悲しんで、兄もとても後悔していました。
しかし、それから1週間後ぐらいに、見覚えのあるシルエットが窓から見えて急いで外に出ると、なんとキンがいたのです。
距離がある場所から、歩いて帰ってきたのです。
他にも、吠えても母が「こら!」と言うとしゅんとしてすぐに止めたりします。
とても賢くて、自慢の家族です。
「ペットいる?」と友達に聞かれた時は、私もキンの話をして、賢いんだよと自慢をしています。